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Claude Code活用ナレッジ集 - 開発フローに沿った実践的な工夫



こんにちは。hacomonoでプロダクトエンジニアをしているタクです。
7月からClaude Codeを利用して開発に取り組んでいます。最初はClaude Codeをうまく使いこなせずにかえって時間がかかってしまうこともありましたが、チームメンバーと「こんな使い方をしたらうまくいった」「こうすれば失敗が減った」といった小さな発見を共有し合う中で、少しずつコツが見えてきました。
チーム内で定期的にLLM勉強会を開催し、そこで共有された知見をNotionのナレッジベースに集約しています。Claude CodeだけでなくCursor、GitHub Copilotなど様々なAIツールの使い方が「プロンプトの工夫」「トラブル対応」「便利な設定」といったカテゴリごとに整理され、蓄積されています。
本記事では、そんなナレッジの中から、私が実際にClaude Codeを使って効果を実感した工夫をいくつかご紹介します。開発の手順(コンテキスト管理 → 実装 → テスト → レビュー対応)に沿って、試してみて便利だった工夫をまとめました。
まだまだ改善の余地はあると思いますが、同じようにClaude Codeを使っている方の参考になれば幸いです。

コンテキストの管理

Claude Codeを使った開発でよく直面するのが、コンテキスト管理の問題です。AIとの長時間の会話では、コンテキストが増大してレスポンスが遅くなったり、さっき言ったことを忘れてしまったり、会話の全体像を把握しづらくなります。
実際、私自身も会話履歴を遡るのが大変で、何を決めたか忘れてしまうことがよくありました。また、開発中に現状どういう実装状況だったか曖昧になってしまうこともありました。そこで、この課題に対する2つの実践的なアプローチを活用しています。

マークダウン出力でコンテキストを整理

1つ目のアプローチは、会話の内容をマークダウンファイルに出力しながら進める方法です。
チャットの履歴だけだと、会話が流れていくため「どこで何を決めたか」が埋もれてしまい、重要な決定事項を後から探すのが困難でした。マークダウンファイルとして整理することで、いつでも参照できます。

具体的な方法
  1. 実装前に既存コード調査・修正計画策定などを実施する際に、Claude Codeに依頼してマークダウンファイルに出力しておく
  2. 出力したファイルを見ながら、AIと一緒にファイルをブラッシュアップしていく
  3. 概ねファイルが完成したら、実装に入る
  4. 実装中に修正計画の不備などが発覚したら、適宜ファイルをアップデートしていく
この方法のメリット
  • コンテキストの引き継ぎ: 会話が長くなって「コンテキストが増えてAIが遅くなった」ときに、会話を新規で立ち上げても、マークダウンファイルを参照すればコンテキストを引き継げます
  • 全体把握の容易さ: 自分自身がAIとの会話が長引いたときに、会話の全量と現在の状態を把握しやすくなります
  • 段階的な設計: 実装に入る前に設計を固めることで、実装中の手戻りを減らせます

開発中にプルリクエストを参照してコンテキストを整理

マークダウンファイルでの管理と合わせて活用したいのが、GitHub CLIを使ったコンテキストの整理方法です。
ボリュームのある開発だと、チャットが長くなってClaude Codeのレスポンスが重くなってしまいます。そこで新規でチャットを作成し、GitHubのプルリクエストを参照させることで、必要なコンテキストを効率的に読み込ませることができます。
Claude Codeに以下のように伝えると、自動的にghコマンドを実行してプルリクエストの情報を取得し、現在の変更内容を正確に把握してくれます。

GitHubのプルリクエスト https://github.com/xxx/xxx/pull/999 をGitHub CLIで参照して

過去の類似プルリクエストを参照してコンテキストを注入

上記と同じくGitHub CLIを利用する方法で、
過去に類似実装があればプルリクエストを参照させることで、依頼内容を文章で入力せずとも正確に伝えることができます。

Claude Codeの基本機能

コンテキスト管理の基礎を押さえたところで、次は実装中に役立つ基本機能をご紹介します。AIが予期しない挙動をした際の軌道修正や、長時間の作業での完了通知など、日々の開発で頻繁に使う機能です。

割り込み機能で「AIの暴走」を即座にストップ

AIが予期しない挙動をした際や、無駄なコンテキストを入れてしまった際に、その場で素早く軌道修正できる機能です。
実装中、「あ、間違った指示を出してしまった」と気づいても、AIが処理を続けてしまうことがありました。特に大量のファイル編集を指示してしまった場合、途中で止められないとやり直しに時間がかかってしまいます。

使い方
  • Escキーを1回押す: AIの実行を割り込んで止めることができます
  • Escキーを2回押す: 過去のプロンプト履歴に遡ってやり直すことができます

通知音で完了タイミングを見逃さない

Claude Codeに処理を依頼して別の作業をしていると、いつ終わったかがわからず、終わったかどうかを都度確認する必要があり、他作業に集中できません。

設定方法

~/.claude/settings.jsonに以下のように設定します。ちなみに、自分でJSONファイルを編集しなくてもClaude Codeに「通知音を鳴らしたい」と雑に依頼してもやってくれます。

{
  "hooks": {
    "Notification": [
      {
        "hooks": [
          {
            "type": "command",
            "command": "afplay /System/Library/Sounds/Ping.aiff"
          }
        ]
      }
    ],
    "Stop": [
      {
        "hooks": [
          {
            "type": "command",
            "command": "afplay /System/Library/Sounds/Glass.aiff"
          }
        ]
      }
    ]
  }
}
設定の意味
  • Notification: Claude Codeが質問してきたときに音を鳴らします(例:Ping.aiff)
  • Stop: タスクが完了したときに音を鳴らします(例:Glass.aiff)

異なる音を設定することで、質問なのか完了なのかを音で判別できるようになります。

活用のメリット
  • 長時間の処理中に他の作業をしていても、完了のタイミングを見逃さずに済みます
  • AIからの質問にすぐ気づいて対応できるため、待ち時間を削減できます
  • 音の種類を変えることで、状況を即座に判断できます


Playwright MCPの利用で実装・動作確認を一気通貫で実施

実装後の動作確認もPlaywright MCPを設定すればClaude Codeに以下のように依頼できます。
動作確認にプラスしてスクリーンショットも撮影できます。

実装した内容を実際の画面で動作確認して。画面URLはhttp://localhost:8000/xxxxね


Claude Codeで実装したコードを自分で動作確認してみると「動かない」ということがよくありますが、画面での動作確認もClaude Codeに任せることで、実装→動作確認→修正のサイクルを一気通貫で依頼できます。
動作確認で問題が見つかれば、その場で修正してもらい、正常に動くまで仕上げてもらえるのが便利です。
ただし、Playwright MCPを使ったブラウザ操作はトークンを大量に消費するのでその点は注意が必要です。

GitHub CLIを活用したレビュー指摘対応

レビュー指摘対応も以下のように依頼することで、Claude CodeがGitHub CLIでレビュー指摘を参照し実装を修正してくれます。
チームメンバーの指摘の対応に加えて、CodeRabbitのAI Code Reviews機能などの自動レビューツールの指摘も同じ方法で対応できるため便利です。

GitHubのプルリクエスト https://github.com/xxx/xxx/pull/999 をGitHub CLIで参照し、レビュー指摘に対応して


まとめ

ここまで、Claude Codeを使った開発で便利だった工夫をご紹介してきました。

  • コンテキスト管理: マークダウンファイルへの出力、GitHub CLIでのプルリクエスト参照、過去の類似実装の参照
  • 基本機能の活用: Escキーでの割り込み、通知音での完了タイミング把握
  • 動作確認の効率化: Playwright MCPで実装から動作確認までを一気通貫で依頼
  • レビュー対応: GitHub CLIでレビュー指摘を自動取得して対応

今回ご紹介した内容が、皆様のClaude Code活用や開発効率向上の参考になれば幸いです。



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