こんにちは。hacomonoでQAエンジニアをしているpiro(@pirori_Qin)です。
12月です。早いもので今年ももう終わりですね。
私は今年はじめて自宅で焼いたシュトーレンを少しずつ切って味わいながら、
年の瀬までのカウントダウンを楽しんでいます。

QAキャリアのお話 — 第三者検証 vs 事業会社QA —
さて今日はこんなテーマで書いてみたいと思います。
きっかけは↓こちらの、2025/11/12にFindyさんのLTイベントに登壇しお話させていただいたことです。
QAエンジニアのキャリアケース〜第三者検証から事業会社へ 環境の違いから見えたQAのリアル〜 | IT/Webエンジニアの転職・求人サイトFindy – GitHubからスキル偏差値を算出
(このページにアーカイブ動画もあるので是非ご覧ください!)
QAエンジニアという職種はやれることの幅が広い分、キャリアに悩む方も相当多いのではと感じています。
そして、上記のFindy LTイベントの主題でもあった、「第三者検証会社なのか、事業会社なのか」
という選択は、その中でもよく耳にするお悩みポイントだと思います。
自分は第三者検証会社で受託QAエンジニアを経験した後に事業会社のQAエンジニアとなりました。
Findy LTイベントで話し足りなかった部分を中心に、ここに記したいと思います。
全体的に自分のこれまでの経験をベースにした個人的な意見ですので、
参考程度に捉えていただければと思います。
目次
- 第三者検証より事業会社QAの方がいいの?
- 採用側の視点だとどうなの?
- 結局どうすればいいの!?
- 最後に
☆こんな人向け
- 今第三者検証会社で受託QAとして働いていて、キャリアを悩んでいる
- 事業会社のQAにはどんなことを求められるのか知りたい
- QAエンジニアのキャリアにおいて、どのような選択肢があるのか知りたい
第三者検証より事業会社QAの方がいいの?
イチバン初めにイチバン大事なことを言います。
第三者検証会社より事業会社QAの方が良い、という話では全くありません!!
ここは皆さんにフラットに見ていただきたいところなので、強調しておきます。
キャリアの中で異なる2つの選択肢があるだけだと考えてください。
全体としての共通点と違い
種類が2つ分かれていますが、そもそも「品質」という同じ業界にあることは共通しています。
そこで働く人たちの目指すべきところは、「製品や組織の品質を上げること」であり、
そこは両者変わることのない共通点です。
じゃあその違いは何なのか?というと、「品質を上げる」ためのアプローチの仕方にあります。
大雑把ですがなんとなくのイメージ図を書いてみました。
[図: 品質へのアプローチの違い]

ソフトウェアテスト業界・品質という大きな集合に対して、
- 第三者検証会社
▶️ 業界全体に対して影響を及ぼすようにアプローチしている
例) 人材派遣事業、ソフトウェアテストに関するツールや新技術の開発、人材育成等
- 事業会社QA
▶️ その中にある小さな集合(各企業が持つ製品・組織)の品質を上げるようにアプローチしている
例) 自社製品の検証、自社組織の改善等
といったイメージで自分は理解しています。
受託QA vs 事業会社QA
第三者検証会社は人材派遣事業以外にもたくさんのことをやっているという話をしましたが、
今キャリアに悩んでいる方々は、現場に派遣されてQAエンジニアとして働く受託QAの方が多いんじゃないかと思うので、ここでは受託QAと事業会社QAに的を絞って違いを記していきます。
(※あくまでも実体験をベースにした個人的な意見なので参考程度に捉えてください)
キャリア

事業への貢献

特に求められるスキル

収入
ビジネスの仕組み上、金銭の流れの中で中間マージンがあるかどうかで異なります(図参照)。
この仕組みだけ見ると事業会社の方が給与が高くなりやすい傾向はあるのかもしれませんが、 この違いを踏まえたとしてもピンキリなので一概に言うことはできません。
[図: 中間マージンがある場合のイメージ]
採用側の視点だとどうなの?
Findy LTのイベント後のアンケートにて、「採用側の視点も聞いてみたい」という声がありました。私は今の会社で採用にも携わっているので、それについても少し書きます。
これは自分と同じく、第三者検証会社から事業会社へ転職したいと考えている人へ向けた、採用視点のお話です。
(※「hacomonoでは」というものではなくフラットに考えた場合のお話なので悪しからず)
“QAエンジニア”とは
“QAエンジニア”と一括りにいっても、その振り幅は非常に大きいです。
会社によって、チームによって、個人によってその職能や責任範囲の認識は異なります。
本当に求められている”QAエンジニア”とは何でしょうか?
まずはその解像度を上げることが必要ではないかと感じます。
事業会社への貢献について前述しましたが、
製品や組織の品質が、事業の未来に直接的に影響を及ぼす事業会社において、
その品質向上を担っているQAの責任は重いです。
達成すべき品質は絶えず変化し、それを捉え、改善し続けていくには、
機械的に作ったテストをその通りに実施するだけでは到底実現できません。
今この瞬間に求められている品質は何か?
それを実現するのに障害になっているものは何か?
それを取り除くためにはどうすれば良いか?
洞察し、思考し、判断し、行動する。これを繰り返す必要があります。
QAエンジニアの真髄は、こういった「改善」にこそあると私は最近考えています。
気にするポイント
自分が実際に体験したギャップから、
個人的に採用活動で気にするポイントを2つ挙げてみようと思います。
自ら課題を検知する力
私が受託QAとして働いていた頃、「業務委託」という言葉通り、基本的にはお客様に言われた範囲の中で仕事をすることが多かったのですが、転職して最初の頃、誰からも指示がなく怖さを感じたことを覚えています。
顧客の課題を解決することがミッションであることが多い受託QAとは異なり、事業会社のQAは組織や製品を洞察し、課題を検知するところから責任を持つことが多いです。 このギャップを乗り越えられるかどうかは重要なポイントだと思います。品質エンジニアリングスキル
イメージしづらいかもしれませんが、 これは、よく言われがちな「コードの読み書きができるか」みたいな話ではないです。
まずテストには実に多様な手法、技術が存在します。
そしてテスト以外にも品質を解決する手段は無数に存在します。
そういった引き出しをいくつ持っているか?がQAエンジニアとしての価値なんじゃないか、 と私は考えています。
標準化されたテストスキルだけでなく、品質を向上させるためのエンジニアリングスキルを たくさん持っている方ほど、自社の品質に貢献していただけそうだな!と感じますし、
自分自身もそういったQAエンジニアを目指しています。
会社の選び方
求めている人材は会社ごとに違いますし、タイミングによっても違うので、
ここまで書いてきたことは全て一概には言えないことばかりです。
転職・採用というのは要はマッチングです。
求職者のwantと企業のwantが一致したら採用!となる訳です。
より大切なのは、どこの企業でも採用されるような画一的な人材であることよりも、
自分が企業に求めていることと、企業が求職者に求めていることを理解しようとする努力の方です。例えばこのような軸で考えてみると良いかもしれません。
- 自分を知ること
- どんなキャリアを積みたいのか
- どんな環境で働きたいのか
- 人生で何を大切にしたいのか
- 今時点でどんなことができるのか など
- 企業を知ること
- どういうMission / Vision / Valueを持っているのか
- どんな品質課題があるのか
- どういった組織体制なのか
- 品質に対してどんな思想を持っているのか など
企業のことを深く知るためにできることはたくさんあります。
採用ページやテックブログを見たり、その会社が主催しているイベントに参加したり、
リクルーターの方に話を聞いてみたり、カジュアル面談で現場の人と話したり…
そういった機会を活用しつつ、自分にマッチしそうな会社を探すのが良いと思います。
結局どうすればいいの!?
—第三者検証 vs 事業会社QA—
というタイトルでここまで書きましたが、一概には言えないとかあくまで個人的な意見だとか、
フワフワなことばかりだったかもしれません。でも最後までフワフワして終わります。
ここからは完全に、最近私が考えたことを書きます。
まず大事なことなのでもう一度書いておきますが、
第三者検証会社より事業会社QAの方が良い、という話では全くありません!
私自身が検証会社から事業会社QAに転職した人間なので、私の話を聞くと、
事業会社QAの方が魅力的に映るかもしれませんが、そんなことはありません。
私が検証会社で得られたものはとても多いです。
幅広いプロダクト、多様なプロジェクト、チームで経験を積むことができましたし、
業界にいるたくさんの方と知り合うことができたり、内部営業活動で磨いた交渉スキルを今のプロジェクト管理に活かすことができたりと、全てが今の自分の糧になっています。
仮に新卒からずっと1つの事業会社にいたとしたら、これらは得られなかっただろうし、
このブログに書いた内容について考えることもなかっただろうと思います。
また、今は事業会社のQAとして働いていますが、この先のキャリアで
もっと業界全体に対するアプローチがしたいな、と思ったら、また検証会社の門戸を叩くかもしれません。今後QAエンジニアとして生きる上で、選択肢として存在すると思います。
どの道を行けばよいのか
チャレンジする余力がある人は、検証会社も事業会社も経験してみるといいと思います。
こんな風に誰かの言葉を聞くのもいいですが、自分自身の生の体験に勝るものはありません。
キャリアというものを、予め敷かれたレールを選ぶのではなくて、自分で好きにレールを敷いていくようなものだと考えられると素敵だな、と思います。QAエンジニアは特に幅が広い職種だからこそ、その自由度は高いです。
1つ1つの選択を重く捉えすぎず、知らない世界を見に行ってみよう、くらいの気軽なテンションで決めてしまっても良いんじゃないかと思います。
最後に
QAエンジニアのキャリアって悩みますよね。自分も当事者ですからよく分かります。
この記事は自分がこれまで歩んできた道を踏まえて、考えたことを徒然に書いたまでですが、
キャリアに悩む同志たちが、少しでもヒントを得られたらいいな、と思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!