はじめに
こんにちは。hacomono UX部エンジニアのyasuです。
今年の3月からUX部とリアーキテクチャ&イネーブルメント部が連携し、フロントエンドの開発基盤を刷新するために発足した新プロジェクトにおいて「ドラッカー風エクササイズ」と呼ばれるチームビルディングを実施したので、実施に至るまでの背景や成果などをお伝えしたいと思います。
ドラッカー風エクササイズとは?
自分の強みを活かすための方法や時間の有効活用など、経営学者のピーター・ドラッカーの思想や理論をベースに『アジャイルサムライ』の筆者が提唱したチームビルディングの手法の一つです。
次の4つの質問に回答する形で相互理解を深め、メンバー間の期待値を明らかにします。
- 自分は何が得意なのか?
- 自分はどうやって貢献するつもりか?
- 自分が大切に思う価値は何か?
- チームメンバーは自分にどんな成果を期待していると思うか?
各質問の意図などは『アジャイルサムライ』著者のWEBページ↓をご覧ください。
The Drucker Exercise | The Agile Warrior
ドラッカー風エクササイズを実施した背景
私は今年の1月に入社したばかりでプロジェクト発足当時、入社から3ヶ月程しか経っていなかったため、新プロジェクトのメンバーのこともあまり良く知らず、次のような課題感がありました。
- メンバーはどのようなことを大切にしていて、どんな風に仕事をしたいのか、また逆にどのようなことが苦手だったりするのかが分からず、これからどのようにメンバーと接したら良いか分からない
- メンバーから期待されていることが分からず、自分がこれから貢献しようと思っていることとメンバーから期待されていることにズレが生じないか不安
とは言え、全く知らない間柄でもなかったため、どちらかと言えば2.の課題感が強かったのですが、それを自身のtimesチャンネルでつぶやいたところ、そこで反応してくれたマネージャーの後押しもあってドラッカー風エクササイズを企画することとなりました。
どのようにドラッカー風エクササイズを実施したか
事前準備
あらかじめチームメンバーに質問を提示し、実施当日までに回答を考えてきてもらうことにしました。
質問はオリジナルの4つの質問ではなく、相互理解に関する質問を少し拡張して、次の6つの中から3つ以上の異なる質問を選んで回答する形としました。
これらの質問は相互理解を促し、人となりを知ることが目的なので、質問の粒度を揃えることにはこだわらず、各人が回答したい質問を選んでもらい、個性が分かるようにしました。
- 自分は何が得意なのか?
- 自分は何が苦手なのか?
- モチベーションの源泉
- モチベーションが下がる要因は何か?
- 自分が大切に思う価値は何か?
- 自分はどういう風に仕事をするか
その他、期待値に関する質問を2つ用意し、最後の質問に関しては自分以外のメンバーへの期待値として人数分考えてきてもらうことにしました。
- 自分はどうやってチームの成果に貢献するつもりか?
- 他のチームメンバーから期待されていることは何か?
使用したツール
使用したツールについては、オフラインで集まって実施したのですが、実物のホワイトボードではなく、準備してきた回答を直ぐにコピペできるよう、会社のコラボレーションツールとして使われているMiroを使うことにしました。
ホワイトボードと付箋を使うのがオーソドックスなやり方ではあると思うのですが、Miroにはタイマー機能も付いていたので、当日の時間管理がしやすかったです。
時間配分
当日は次の時間配分で進めました。
- 目的と注意事項(人の意見を否定しないなど)を再確認する…5 分
- Miroを使って、質問に付箋で回答する…15 分
- 回答を発表する(1人あたり7分)…30 分
- 感想を述べる…10 分
3.の回答発表では、まず1人が回答を発表し、その後にその人への期待値を他メンバーから発表してもらい、それも終わったら回答発表に対する深掘りタイムを設けて、双方向のやり取りによって相互理解を深めました。
それを人数分繰り返し、最後は各自感想を言って締めくくり、時間は4人で大体1時間に収まったので、4人では丁度良い時間になったのではないかと思います。
実際やってみてどうだったか
感想については、暗黙とされていた部分が明らかになったり、人と向き合う機会が持てて安心できたという声や、準備する過程で自身の強み・弱みを再認識する機会が持てたのが良かった、という声があがりました。
自分自身も当初抱いていた課題感を潰せたので、安心してプロジェクトに取り組めるようになったと実感しています。
おわりに
アジャイル開発を実践している企業では広く知れ渡っているイメージのドラッカー風エクササイズでしたが、意外にもhacomonoでは未だこれまでに実践されたケースは無かったようで、今回の実践を月1の頻度で行っている開発LT会でも紹介し、こういったチームビルディングの手法があることを社内に周知することができました。
勿論、チームビルディングに関してはこれ以外にも様々な手法が存在しますが、その時のチームの状況や目的に合わせて、最適な方法を模索し、費用対効果が高く得られるよう常に心がけていきたいと思っています。
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