こんにちは。hacomono UX部エンジニアの do です。
私が所属するUXチームでは、今年の4月頃からスクラムエッセンスを開発に取り入れ始めたので、その背景やチームに起きた変化をご紹介したいと思います。
スクラムではなく、スクラムエッセンスと称しているのは、完全にスクラムのフレームワークに沿っていないためです。スクラムの3本柱(「透明性」「検査」「適応」)や価値基準を取り入れつつ、スラクムイベントをチームの状況に合わせて取捨選択する形で少しアレンジしています。
スクラムについての詳細は スクラムガイド をご参照ください。
スクラムエッセンスを取り入れようと思った背景
これまでの開発スタイル
これまでの開発はいわゆるウォーターフォールに近い形で開発していました。
機能開発を以下の4フェーズに分けて順次進めていくイメージです。
チームの課題感
上述の開発スタイルで進めていると、次のようなトラブルがしばしば起きていました。
- プログラムフェーズで仕様やデザインが実現できないことが判明し、手戻り!
- テストフェーズで致命的な不具合を発見し、手戻り!
- プログラム修正で済めばまだマシですが、仕様やデザインの見直しまで波及するケースも😭
- 各工程の遅延がテストフェーズへの負債となり、テスト期間が圧縮される!
スクラムエッセンスを取り入れるきっかけ
このようなトラブルから「何が要因なんだろう?」と考えていたら、、、
他のチームがスクラムエッセンスを取り入れて良い成果出してるという話を聞き、hacomono としてよりアジャイルなチームを増やしていきたいという思惑も相まって、「じゃあウチもやろう!」と即決しました。
取り組んだこと、チームに起きた変化
基本的にはスクラムのフレームワークに沿って開発してますが、その中でも意識して取り組んだ内容をご紹介します。
小さく作って、小さくテスト
開発スタイルで触れたとおり、これまでは プロダクト要求仕様書 → デザイン → プログラム → テスト
を1サイクルだけ回す形でしたが、開発対象の機能を細分化して プロダクト要求仕様書 → デザイン → プログラム → テスト
のサイクルを複数回実施しました。
例えば 「イベント管理機能」を開発する場合、次のように細分化し、各項目ごとにサイクルを回していきます。
- イベントを登録する
- イベントを変更する
- イベント一覧を確認する
- イベント詳細を確認する
チームに起きた変化
- 開発全体の見通しが良くなった(透明性が上がった)
- 実装やテストで考えることがシンプルになり、レビューもしやすくなった
- テストのシフトレフトが実現したことで、無理のない稼働で安定した品質を確保できた
重要な開発資料を全員でレビュー、受け入れ条件を全員で考える
主にプロダクト要求仕様書やFigmaのデザインに対して、開発チーム全員でレビューしました。 1人1人が意見や疑問を出し合い、それをチーム全体で議論して方針を模索していく流れです。時間はかかりますが、議論から意思決定までをチーム全体で共有できていることが大切だと考えています。
また、開発タスクの受け入れ条件をチーム全員で議論し、実装やテストケースに漏れがないようチームで補完し合うように取り組みました。
チームに起きた変化
- 意見交換が活発になり、どんな発言でも受け入れられる土台ができた
- 全員で議論したことによって、仕様やデザインがより洗練された
- 実装すべきことが明確になり、実装に集中できた
- QAエンジニア以外もテストに関心を持つようになり、チーム全体の品質意識が向上した
プレQA
ある程度動くようになったら開発チーム全員で動作を確認し、仕様やデザインが適切に反映されているか・更にブラッシュアップできないか…といった観点をベースに意見を出し合う場を設けました。
チームに起きた変化
- チーム全体で実動作や仕様について共通認識を作れた
- 動くものをベースに議論することで、解像度高くフィードバックサイクルを回せた
今のやり方を疑い、柔軟に変更する
こちらは一例になりますが、デイリースクラムやレトロスペクティブでこのような議題がたくさん挙がり、チーム全員で議論しながら取り組んでいきました。
チームに起きた変化
- スクラムエッセンスを取り入れた当初と比べて、格段に開発チームとして成長した
- コミュニケーションの質の向上
- 開発プロセスの最適化
- フロー効率の向上
- 変更したらそれで終わりではなく、定期的に見直すことで更なる改善サイクルを回せている
おわりに
まだスクラムエッセンスを取り入れ始めたばかりですが、同じように最近スクラムを始めた方や、スクラムを導入してないけど興味を持ってる方の参考になれば幸いです。
チームとしては成長の余地がまだまだ残っており、やりたいことも沢山ある状況ですので、よりアジャイルなチームになれるよう引き続き取り組んでいきたいと思います!
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