1. はじめに・自己紹介
こんにちは!hacomono IoT部でPdMを担当しているクレさんです。
2024年10月にhacomonoに入社してまだ1年弱の在籍期間ですが、過去のIoT業界での7年間の経験を活かしてhacomonoで新しい挑戦をしています。

私のキャリアは少し変わっていて、メンズシルバーアクセサリー販売の店長からスタートし、その後IT業界に転身。スマホゲーム業界で約10年、そして最後の7年間はスマートホームIoTベンチャーの取締役として開発・生産管理を担当していました。
前職のIoTベンチャーでは、スマート家電リモコンやスマートロックなど、ハードウェアとソフトウェアの両方を扱うIoT製品の開発から生産まで一貫して手がけてきました。


私は「ゲームが好き」というよりは、「IT技術を使った新しいサービスを生み出す事が好き」という感覚で仕事をしていたので、自分がスマホゲーム業界にフィットしていない事に、だんだんと違和感を感じるようになっていました。
そんな時に出会ったのがIoT業界です。

2. IoT業界の現状と課題
IoT業界で働いて痛感するのは、ハードウェアとソフトウェア両方の深い知識が必要だということです。多くの人がどちらか一方の業界からIoT業界に転職してきますが、特にソフトウェア出身者にとって、物理的な製品を扱う難しさは想像以上です。
具体的には、製造業特有の基板開発や金型開発、生産物資の調達、組み立て工場の手配、商品の出荷運搬の手配など、物流・製造全般の知識が求められます。さらに、ネットワークの知識や無線通信の国家認証(技適など)、電波法に関する理解も必須となります。
一般的なITサービスで運用中に問題が発生した場合、サーバーシステムやスマホアプリなどのソフトウェアの改修で問題を解決できます。しかしIoT製品として一度出荷したハードウェアに不具合があれば、物理的な商品の交換が必要になります。また、製品の在庫コストを抱える事業リスクも、純粋なソフトウェア事業とは比べ物になりません。
そして、開発サイクルも複雑です。ソフトウェアは短期間でリリース・改善を繰り返せますが、ハードウェアは設計から量産まで数ヶ月〜数年かかり、一度形になり始めてしまうと簡単には設計を変更できません。この開発リズムの違いを調整するのも、IoT開発の難しいところです。

■ IoT業界での転職が困難な理由
こうした複雑な事業環境のため、IoT業界で自分のスキルにマッチした理想的な会社を見つけるのは非常に困難です。
技術領域の幅広さ:ハードウェア設計、ファームウェア開発、ネットワークインフラ、アプリケーション開発、生産管理など、求められるスキルセットが膨大
事業フェーズの見極め:0→1のプロダクト開発段階なのか、1→10のスケール段階なのかで必要な経験が大きく異なる
資金調達状況:IoT事業は初期投資が大きく、適切な資金調達ができていない企業では持続可能な開発・生産が困難
市場理解の深さ:ターゲット業界への理解がないと、本当に価値のあるIoT製品を開発できない
私自身も転職活動では、これらの要素を総合的に判断しながら、自分の経験を活かせて、かつ事業として成功可能性の高い環境を慎重に探していました。
3. なぜhacomonoのIoT部だったのか
そんな中、15年来お世話になっている信頼できる転職エージェントから「面白い会社がありますよ」と紹介されたのがhacomonoでした。
そのエージェントからの情報では「hacomonoに何人か紹介していますが、穏やかな雰囲気がありながらも、入社した人が皆さん口を揃えて良い会社と言っているし、転職後の満足度が高いんですよね」と話していました。正直、ウェルネス業界には全く興味がありませんでしたが、SaaS企業なのにIoT事業の内製部門を抱えているという点に強く興味を惹かれました。
そして、セッティングしていただいたCTOまこさんとのカジュアル面談では、お互いサイバーエージェント出身ということもあって話が弾み、サービス開発への本気度を感じることができました。特に印象的だったのは、ウェルネス産業を盛り上げるために、ソフトウェアだけでなくハードウェアも取り入れて本気で取り組んでいる姿勢に感銘を受けました。
私のこれまでのIoTベンチャーでの経験が、まさにこれから成長させようとしているhacomonoのIoT部にフィットすると確信し、入社を決意しました。
4. 入社後に見えたhacomono IoT部の良さ
2024年10月にhacomonoに実際に入社したの後、毎日のようにhacomono IoT部の素晴らしさを実感しています。
■ 充実した専門職体制
hacomonoのIoT部は小さな組織でありながら、メカエンジニア、エレキエンジニア、FWエンジニア、バックエンドエンジニア、生産管理SCM、運用保守FieldOps、PdM、PMMといった専門職が揃っています。まさにIoTベンチャー企業の基本的な体制(必要かつミニマムな体制)が構築されていて、驚きました。
■ 適切な資金投入ができる開発環境
IoT開発においては有形物の開発や製造が必要となるため、開発資金の確保が重要となります。適切な資金投入ができないと、必要な部品が調達できない・開発リソースが不足する・品質テストが十分にできないなど、制約の多い状況に陥りやすく、それがIoT製品を自社で開発する際の大きな課題となります。
しかしhacomonoはSaaS事業での安定した収益が見込めるため、必要なリソースを適切に開発・運用に投入できる環境が整っています。その効果としては、実際にプロダクトの品質や開発スピードに大きく影響するだけでなく、働いている社員の心の余裕にも繋がっています。
■ 本気のウェルネスへの想い
hacomonoは目先の利益を求めるのではなく、「本気でウェルネス産業を良くしていきたい」という全社的な想いが強い会社です。この目的意識の高さが、チーム全体のモチベーションにつながっていますし、開発や運用面での適切な事業判断に大きく影響しています。
■ ウェルネスを体現する福利厚生
月最大15,000円の補助が出るWith Wellness制度(健康促進手当)でジムや整骨院を利用できますし、書籍購入補助制度のおかげで自分のスキルアップを後押ししてくれています。カンファレンスやセミナーへの参加も積極的に上司が推奨してくれています。また、フルリモート・フルフレックス制度が定着していることにより、家族との時間も大切にできています。
■ 本気のフルリモート実現
hacomonoのフルリモートは表面的なものではありません。年1回の全社オフライン集会、年2回のIoT部オフライン合宿、月一度のDrinkUPなど、定期的に対面コミュニケーションできる場を設けています。また、毎週の全社オンライン会議、月次のプロダクト部門会議など、オンラインで全社員がつながる場も定期的に設けられており、綿密に設計されたコミュニケーション体系があります。経営層が本気で社員のウェルネスを考えているからこそ実現できている制度だと感じます。







5. IoT部での具体的な取り組みと今後の展望
現在hacomono IoT部は、ちょうど成長の転換点にあります。QR入退館システムなどで一定の実績を積み重ねてきましたが、成功体験の再現性や運用効率化など、次のステージに向けた課題も見えてきています。
これらの課題に対して、生成AIの活用や海外生産ラインの構築など、積極的な改善策を検討・実行している最中です。私自身、前職での海外開発・生産管理の経験を活かして、これらの改善に貢献していきたいと考えています。
hacomono本体の強力なバックアップがあるからこそ、他社に先駆けてWeb中心のバーティカルSaaSでのIoT事業の成功ロールモデルとなるようなIoT部を目指しています。
6. おわりに
hacomonoのIoT部での経験を通じて、SaaS企業内でのIoT内製事業の可能性を強く感じています。
従来のIoTベンチャーが抱える資金調達や市場開拓の課題を、hacomonoという安定した事業基盤によって解決しながら、本気でウェルネス産業の未来を変えようとする熱意と必要な技術リソースを兼ね備えた環境は、他社にはない貴重なものだと思います。
IoT事業は確かに難しいビジネスです。しかし、hacomonoのように明確なビジョンと安定した事業基盤、そして専門性の高いチームが揃えば、必ず大きな価値を生み出せると確信しています。
私たちhacomono IoT部は、これからもウェルネス業界の課題をテクノロジーで解決するという使命のもと、他社に先駆けてIoT事業の成功モデルを作り上げていきます。
ウェルネス業界の発展やIoT技術の可能性に興味をお持ちの方は、ぜひhacomonoの取り組みに注目していただければ嬉しいです。
Let’s Wellness!
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