こんにちは!hacomono QAのモーリーこと森島です。
先日満を持してAIカメラソリューションをリリースしました。
hacomono、AIカメラソリューションの提供を開始。ジム運営が“データドリブン”に進化
リリース内容はコア機能の第一歩ですが、今後の革新的なソリューションになることを確信しているので、みなさまにお届けできる形となり感無量です。
しかし、その道のりは紆余曲折、プロジェクトメンバーの努力やさまざまな苦労がありました。
今回はAIカメラの主機能をご紹介しながら、どんな工夫を行なってきたのか舞台裏を担当したQAエンジニアの目線でお送りしようと思います。
AIカメラ概要
プレスリリースの内容がわかりやすいですが、こちらでも簡単に触れておきます。
AIカメラはi-PRO社の高性能カメラを利用しています。
i-PRO Remo. Serviceにて撮影している映像を遠隔で確認できる他、人物検知機能を備えております。
それにより店舗全体にどれくらい人がいるかの混雑状況や、どのマシンでどれくらいの人数が利用しているかをデータとして可視化できます。
2025年6月現在hacomonoと連携可能なAIカメラは2タイプあり、天井設置タイプとライティングレール設置タイプがあります。
とりわけ設置が簡単でWi-Fi接続可能なライティングレール設置タイプを主力に提供を始めました。
提供している主機能
※2025年6月現在の情報です。
簡単にAIカメラを利用して、どんなことができるのかをリストアップします。
hacomono管理サイト
- AIカメラのマスタ登録
- アクティベーションファイルのダウンロード
- i-PRO Remo. Serviceへシングルサインオン
- 混雑記録のダウンロード
- メンバーサイトの混雑表示設定
hacomonoメンバーサイト
- 店舗全体の利用人数表示
- 店舗のマシンごとの利用人数表示
詳細はサポートサイトがわかりやすいため、ここでの説明は割愛します。
hacomono サポートサイト AIカメラ
サービス構成とプロジェクト体制
大まかなサービス構成は上図の通りですが、AIカメラ向けのバックエンドも存在しています。
hacomonoはAIカメラ以外にもデバイス(QRリーダー、水素水サーバー等)を提供しており、それをメインに担当するIoT本部が存在します。
そのIoT部とhacomonoの管理サイト・メンバーサイトを開発するプロダクト本部で協力して開発しており、下記のような体制で開発していました。
- プロダクトマネージャー:2名(IoT / プロダクト)
- デザイナー:2名
- カメラ拡張機能開発エンジニア:1名(IoT)
- カメラバックエンドエンジニア:1名(IoT)
- IoTアドバイザーマネージャー:1名(IoT)
- hacomono開発メインエンジニア:1名(プロダクト)
- hacomono開発アドバイザーエンジニア:1名(プロダクト)
- QAエンジニア:1名(プロダクト)
()内は所属を示しています。
総勢10名くらいで開発を進めており、さらにBizメンバーも含めると全体会議は10人超となります。
AIカメラプロジェクトの試行錯誤
ここからは、QAエンジニア視点でこのプロジェクトで面白かったこと・難しかったこと・工夫したことを振り返っていきたいと思います。
スケジュール管理とコミュニケーション
プロジェクト体制を見てもらえれば分かる通り、関わる人数が多く、カメラエンジニアとhacomonoエンジニアが並行で開発している内容が異なります。
それぞれのスケジュールを把握した上で、それぞれが開発している内容を理解して、適切なコミュニケーションを行う必要があります。
プロジェクトのはじめは、IoT・プロダクトでそれぞれのスケジュールで進んでおり、会議体も別になっており非同期コミュニケーション以外は接点がない状態でした。
途中で全体定例という相互に同期コミュニケーションの場を作ったり、非同期共有の仕組みを作ったり、と途中でふりかえりと改善を挟みながらプロジェクトメンバーのコミュニケーション練度を上げていきました。
IoTメンバーが話している用語も初耳なことが多く、それってなんですか?とわからないことをわからないままスルーしないことが大事だったり、用語集の作成に協力いただいたりしました。
個人的にすごくありがたかった点は、このAIカメラ事業におけるビジネスインパクトや今後の展開を途中で共有いただいたことでした。
IoTやBizメンバーは事前にカメラの選定を行ったり、お客様にご協力いただき実際に取り付けて実現可能性を探ったりと、ある程度プロジェクトコンテキストが揃っている状態でしたが、プロダクトメンバーは実現可能性が固まった段階でジョインしました。
そのためコンテキストがわかりづらいために、依頼されたhacomonoの開発をこなすだけになりそうでしたが、事業を深く理解することで視野がだいぶ広がった感覚がありました。
この取り組みは今後のプロジェクトでも引き続き推進していきたいと思っています。
ダミーデータと本物らしいデータ
機能として、管理サイトから混雑記録をエクスポートしたり、メンバーサイトで店舗の利用人数やマシンの利用人数を表示できます。
それの検証にあたり、開発時にはカメラで検知した人数としてダミーデータを受け取って表示確認を行なっていましたが、システムテスト・受け入れテストとしては実際にカメラが検知した人数の値を使って検証することは必要です。
hacomonoオフィスの執務室エリアには、実験的にカメラを設置してありそれらしい人数データは取れていますが、リリースするプログラムが提供できるカメラではなく検証はできそうにありませんでした。
それらしく人数を検知してくれる方法はないかなー、と探していたところ、自宅にちょうど良い人の顔がいっぱい載っている下敷きがあったので、それカメラに映して人物検知させていました。
シュールな光景ではありますが、こんな工夫をして検証を進めていたよ、という裏話でした。
デバイス実機が関わる検証は、Webアプリで完結する場合とは違った難しさがあり、またこれらをどう自動テストで実現するかは、これからの課題になりそうです。
IoTバックエンドの学び
今回はじめてIoTサービスの検証に関わり、自分にとって学びが多くありました。
AIカメラではアクティベーション、AIカメラからバックエンドへデータの送信、拡張機能ソフトウェアのバージョンアップなどさまざまなところで検証に関わらせていただきました。
AIカメラの管理はバックエンドにAWS IoTサービス、特にAWS IoT Coreを利用しています。
MQTTやデバイスシャドウ、ジョブなどはじめて知る言葉がたくさんあり、IoTメンバーは当たり前に知っている内容も理解が難しかったです。
MQTTにはトピック、パブリッシュ/サブスクライブパターンなど、カメラの内部データが更新されたことを確認するという簡単そうに見える内容でも、学ぶことが多く新鮮でした。
こちらの記事が参考になりました:【IoT入門】MQTTについて1から丁寧に解説
このあたりは初心者なので、IoTエンジニアに根掘り葉掘り聞きつつ、同期的なコミュニケーションでフォローしてもらいながらテストを実施していきました。
根気よく支えていただいたエンジニアには多大なる感謝をお伝えしたいです。(伝えておきます)
最後に
AIカメラリリースの舞台裏はいかがでしたでしょうか。
今回はQAエンジニアは私一人でAIカメラの全てを担当して、改めて振り返ると学びが多く、普段とは異なる環境で刺激のあるプロジェクトでした。
なによりこのソリューションがhacomonoユーザーのみなさまを新しい次元へと連れていくひとつの柱になると考えているので、このプロジェクトに関われて幸せでした。
まだまだこれからもAIカメラソリューションは進化していくので楽しみにしていてください。
(他のプロジェクトメンバーからの舞台裏も公開されることを期待しています)
hacomono ではQAエンジニア・QAマネージャーを募集しています。
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