hacomonoでQAエンジニアをしているピロちゃんこと廣田( @pirori_Qin )です。
寒くなってきましたね。
私は秋冬物を買ってなかったので、慌てて行きつけの古着屋に駆け込み爆買いしました。
身も心もホクホクです。財布は、、聞かないでください。
さて、QAエンジニアとして何を話そうか、 QA技術の話をしても良かったのですが、どうせなら自分が直近で思い悩み考えたことと、 その解答として取り組んだことを書こうかと思います。
「ちょうどいい」社内勉強会とは?
突然ですが、勉強会って難しくないですか?
効果が見込めるかどうかは受ける側の意志の問題が大きい、でもその割には、 実施する側は資料作成やスケジュールの調整など、意外と工数がかかってしまいます。
何も考えずにパッと始められて、分かりやすく結果が出るような施策ではないと思います。
同じ壁に当たった私は、 「10分間QA LT」という方法で、継続的に社内勉強会を開くことにしました。
10分間QA LTとは
まず私が「ちょうどいい」勉強会だと考えている取り組み、「10分間QA LT」について簡単に紹介します。
- QAチームで全員で毎朝行っている朝会の後の時間を使って、週1回5〜10分程度のLTを行う
- トピックはQAに関連することであれば基本的には自由。発表者は立候補制で、業務委託のメンバーも含め全員が発表できる
【これまでのコンテンツ例】- 業務に役立つ具体的な技術
- QAエンジニアとしてのMindの持ち方
- 間違えやすい自社製品の仕様Tips など
- ワークショップやリアクションを求めることはせず、ただ発表者が自分の持つナレッジをしゃべる、という時間
- 必ず録画を行い、その記録と発表に使った資料(あれば)を、決まった場所においておくことでいつでも閲覧できるようにする
概要としてはこのような感じです。
みなさんが思い浮かべる勉強会と、どのような違いがあるでしょうか?
この方法に至るまで、どのような問題に当たり、どのように考えたかの経緯をこれから書いていこうと思います。
事の始まり
hacomono QAチームは悩んでいました。
>>>テスト工程の工数が足りない!!!!<<<
社員4名、業務委託11名の合計15名という、そこそこな規模のチームなのに、 2週に1度のリリース前に行うテスト設計、実施の工数が足りないことが多く、 業務委託の方に残業をお願いしたり、社員が自らのタスクと並行してテスト実施を行なったりと、 メンバーが疲弊してしまうことが頻発していました。
単純に人を増やすのではなく、今のリソースで改善できる箇所がないかを考えた結果、 チーム全体でテスト成果物の速度、質を底上げする!という施策を打ち出すことが決まりました。
そう、hacomono QAチームは、業務委託メンバーも含め、 JuniorレベルのQAエンジニアも複数いたのです。
「勉強会」というハードル
そうと決まれば、と早速準備に取り掛かりました。 JuniorレベルのQAエンジニア含め、全員に向けた勉強会を開催し、 ワークショップなんかも取り入れて、実践に近い技術をInputできるようにしようと、
1時間の勉強会を、資料や実践ワーク含めしっかりと作り込み、 15名全員のスケジュールを調整し実施しました。
結果、「参考になりました!」という声はありましたが、 勉強会の中で紹介した技法が実際に使われる様子は見られず、 開催した結果何かが改善した感触はありませんでした。
さらに、これを月1くらいで継続していく計画でしたが、 ここまでのコンテンツを準備する労力は想像以上で、 他の業務と並行していくのは難しく、 続けることができないでたった1回で終わってしまいました。
「勉強会」は、実施する方にも受ける方にも想像以上にハードルが高いものでした。
立ち止まり、考える。
どうしてこうなったのか、課題を整理しました。
課題①:勉強会を生かす生かさぬは人次第
自分の意志で参加していない強制参加の勉強会は、基本的にはつまらないものです。
内容を聞いてちゃんと自分のものにできるかどうかは、人のやる気次第というところが大きいです。
ただただこちらからの一方的な発信で、成果を期待するのは難しいと感じました。
課題②:コストパフォーマンスの悪さ
課題①であるように、勉強会という施策の有効性は、受ける側にかなり依存するため、不確実性が極めて高いです。
効果が測れない1時間の勉強会を開くために自らの工数を投資するのは、もしかしたら効率の悪い施策なのかもしれない、そう感じました。
10分間QA LTの利点
そこで私は、最初に紹介した”10分間QA LT”という方法を考えました。 概要については先ほど説明した通りなので、ここでは利点や工夫についてお話します。
- 1回5〜10分と短い時間かつ、一方的にこちらが話すのみなので、勉強会を開催する側は準備にそれほど工数をかけずに済む
- テーマを細かく区切り、シリーズ化することで、続きを聞きたいという気持ちが起きやすくする
- 誰しもに発表の機会を与えることで、発信する側は全員で負担を分散できる上、誰かに教える、自分の知識・技術を発信する訓練にもなる
- 録画、資料を残すことで、実施して終わりではなく、後で参画したメンバーのオンボーディング、学習コンテンツとして再利用できる
- 朝会という、大体全員がいるタイミングのついでにやるので、わざわざスケジュール調整をする必要がない
たくさんのInputをするために、一気に1時間のコンテンツを作るのではなく、少しずつ継続していくことがポイントです。
「ちょうどいい」勉強会というのはつまり、
そこそこの工数で、そこそこの成果を、少しずつ継続的に出していける勉強会
何かを身につけるために一番大切なことは、継続することです。
勉強会も、継続できる形で長くコツコツとやっていけば、気付けば大きな成果につながっているはずだと信じています。
今後の課題
まだまだ取り組み始めたばかりなので、課題もあります。
これからの課題①:一方的な発信であること
工夫はしているが、一方的な発信のみでリアクションや実践を伴わないので、 業務に活かせるかどうか最終的には結局受ける側の意志に依ってしまいます。
これからの課題②:効果をどのように測定するか
勉強会の開催をすることで、チームのパフォーマンスがどう上がったかを計測する方法は模索中です。
また、どのようなコンテンツが求められているのか、効果があるのかも、 チームの様子を見たり、ヒアリングをしたりして吸収する必要があると考えています。
ちなみに
このアイデアの源泉となったものは、 自分が新卒で、まだITの「あ」の字も分からない頃に出会った、 “3分間 NetWorking”というサイトです。
複雑で難解なはずのネットワークの仕組みが、 3分で読めるボリュームに分割されているだけでスラスラと読み進められました。
短いことは、理解のしやすさに直結するということ、 そして1つ1つが短いものでも、積み上げれば大きなコンテンツにできるということを 実感した例でした。
hacomonoでも最終的には大きなQA教育コンテンツに育てるという野望があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「勉強会」という施策自体、非常に良い取り組みですが、 無闇矢鱈なやり方では、かけたコストに見合わない結果になってしまうかもしれません。
得られる効果とかけるコストのバランスを取りながら、 継続的にできるかつナレッジとしても蓄積できる仕組みとして、 このやり方は有効だと考えています。
少しでも参考になれば幸いです。
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